1177. 物言わぬ証言

maemi fuminori [Date 2022-5-19]

以前コラム「残すべき場所について」で書き、私も保存要望へ署名した、広島にある《旧陸軍被服支廠》の全棟保存が決定したそうです。

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記事をクリックすると広島ホームテレビの記事に移動します。

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1176. 都市農地、緑地は大事だが、攻めた緑地も必要です

maemi fuminori [Date 2022-4-08]

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上記は各地方紙でも報じられているようですが、私が確実に知り得る「宅地化された農地」が下の1枚です。
なぜなら、2000年にセントラル硝子主催の国際アイディアコンペにこの緑地をテーマに設定し応募したからです。

当時、世田谷より上野の藝大に近いほうがいいだろうと足立区に引っ越していて、世田谷時代この生産緑地の都市的な役割や空間のキャラクターに興味を持ち始めて、フィールドワークを繰り返した上で応募をし、優秀賞を頂いたのが「1/n boundary space」です。

あれから22年。
宅地となり、分譲住宅がすし詰め状態になりました。
約1200平米の農地を13筆に分けたいわゆるミニ開発です。
一般に当然宅地化の恩恵というのは、私達のような設計事務所、H Mにももたらされるものではありますが、こうも密集化が起きると考えものだなと思いませんか?
地主さんの(承継者不足はじめ)いろいろなお考えあっての苦渋のご決断でしょうから、それは仕方ないのですが、環境が変わるとは具体的にこういうことです。
環境の変え方はそれこそ私達のような設計事務所の力量に任される大きな責任です。

そして、悲しいかな人々は次第にこの土地が豊かな農地だったことさえも忘れてしまうし、(園庭の)「向こうにぶどう畑があったよ」と知っている卒園児の記憶と、「日陰の壁があるおうちだよ」という園児の記憶が分断されるのです。
だからこそ、地歴や気候風土、形態規制のようなデザインコードや適度な緑地帯、統一感のあるテクスチャなど、使い古されてるかもしれないデザイン手法でもおろそかにせず丁寧に街を作る必要があると考えます。
子供たちの瞳に何を映すべきか、考えるのは大人の責任です。
道路側の顔ばかり気にして、じめっとした家の裏手の壁を見せることがいいことですか?
そういう考えを持たないといけません。

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下図、応募案を修士設計に発展させたときのもの。
写真と比べるとどこが宅地化されたかよく分かるかと思います。

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ここはブドウ園で保育園(園庭が見える緑色の屋上の建物)が隣接した光も風も通り抜ける互恵的で良好な環境でした。
中央を突き抜ける道路は遊歩道。
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提案イメージ、平面図の右から左に向かって見ています。奥が遊歩道で右が保育園

存続する7割が今後どのような環境に変化するのか、良い方向に更新されることを願います。

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1174. 無題

maemi fuminori [Date 2022-3-18]

昨日は宮城のクライアントにお見舞いと被害把握のご連絡を行う。
新幹線脱線の復旧見込みが不透明、飛んでいくには大変な状態でもあるが、まずはご連絡を取るのを決まりとしている。

原則、日時をずらし、メールで既読できたら返信をいただくようにしているが、ご高齢なこともあるので電話連絡にしている。
東京は震度3~4なのでこちらは優先度を下げさせていただいた。
小金井市は計画停電(といわれている)にも遭わなかったので強振モニター(3.11以降常駐)を確認しながら、ヘルメットを被り警戒した。

大丈夫とのことで安堵をより一層噛み締めたが、冷蔵庫のドアが開いた、食器棚の食器が割れた、ロフトの荷物が落下してきた、DIYの工作物が壊れたなど、建築物以外の軽微な被害はあったとのことで連休中でも気も休まらないだろうと思う。
よその家ではエコキュートの貯湯タンクが倒れた事例などもあったようだ。

伊達政宗騎馬像が傾く、青葉城址石垣崩落などシンボルが傷つくというのは視覚的に衝撃が大きいが、(心が傷つきにくいという意味において)次第に忘れるものである一方、本や食器の散乱や家具の損壊など暮らしと直結する物はえぐるように地味に堪えるものである。
設計ではそれら暮らしに直結する品々の保護は大事なのであるが、そこからはみ出る備品の収納方法は住み手でもぜひとも工夫や断捨離なども行い、被害を最小限に食い止めることも試みてほしいと思う。

被害に遭われた方々へ心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

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1173. はじめてPCR検査を受けてみた

maemi fuminori [Date 2022-3-13]

3月11日(金)、立川にて東京都の無料PCR検査(唾液)を受検してきました。
コロナ禍がはじまり多くの人が受検されたと思いますが、私は初の受検です。

会場申込用紙に書く受検理由は「コロナが不安なため」と書くよう促されます。

たしかに不安がないわけではありませんが、今回、別検査会社・別の会場という「2ヶ所」で同時刻帯に「2検体」調べてもらうというテストを行いました。
1回だけでの結果より2回同時で結果を受けたほうが信憑性は高まるのではと考えたからです。
(1回目の唾液で不検出でも2回目の唾液で検出もあり得るため、とはいえ鼻腔ぬぐいではないのでそこに潜んでいれば不検出もあり得るでしょう)

結果は翌日、翌々日にメールで届き、どちらも「陰性」でした。

PCR検査の感度は70%程度と考えられているそうで、偽陽性・偽陰性をゼロにできないのは検査の宿命とも言われるそうで、検査結果の判断は慎重に行う必要があるとされています。
陰性と出ても感染の有無までは断定できないというところに注意が必要な検査ということです。
簡易検査とはそんなものでしょう。

初受検での感想として、
メリット
・唾液による検査で手軽ではあるということ、結果通知が早いこと
デメリット
・陰性=感染していない、わけではないということ (感度70%程度)
・結果通知の有効期限が「3日間」であること (抗原定性検査は「1日間」)

受検から3日間は不安解消できたとしても「その後は知らん」、そういうものですよね。
金曜の夕方の受検なので月曜の夕方にはこの検査結果は無効になるわけです。

今回はダブル受検というテストを通して「2つの結果に違いが起きるのか」を確認できましたし、陰性の結果でたしかに多少の安心材料は作れました。
しかし、偽陽性・偽陰性をゼロにできない性質である以上、しっかり症状が出る数日前の体調の変化が現れた時に速やかに受けるのが望ましい検査で、闇雲に不安解消目的で受けるべきものではないのではと改めて思いました。
抗原定量検査で精度を上げてくれる検査所が増えるなら話は変わるとは思いますが、あまりお世話になりたいものではありませんね。

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1172. できることは残されています

maemi fuminori [Date 2022-3-02]

小学3年生の夏休みの宿題で1枚の絵を描きました。

長崎の『平和祈念像』です。

何故それを選んだのかまったく覚えていませんが、当時を振り返っても9歳にしては上手に描けていたと思います。

小学1年で「原っぱと蜻蛉」を題材にした絵を描きました。
担任から遠近感がよくでていると褒めてもらい、デパートの絵画展に出展してもらったり、6年まで写生会で描いた風景画は良い評価をもらったのを思い出します。
小学5年か6年生では寺の山門を描きました。

中学ではあまり絵は描きませんでした。
バスケで部活三昧、帰宅して将来の目標なんてわからないと、「マイコンベーシックマガジン」というPC雑誌を読みふけっていたのは覚えています。ゲームプログラマーの夢は諦めました。知識だけじゃダメなんですね、環境が整わなかった。
校内がいじめや不良連中で荒れていて、気持ちが萎縮していたのかもしれません。
ある日、テレビからイラン・イラク戦争が流れてきました。ショックを受けたんでしょうね、終戦迎えたのに戦争?と。
美術の時間でガラスにアクリル絵の具で絵を描く授業があって、そこで砂漠の背景に赤い玉を散りばめた絵を描きました。
鬱積した気持ちを吐き出したかったのでしょうね。

高校の美術の時間では当時河川のダイオキシンによる汚染がクローズアップしていて、汚染された河川の河口(=海まで汚れるぞというメッセージ)のような絵を描きました。美術部の顧問が授業も兼務していたのですが、褒めてくれました。

これらはすべて手元に残っていませんが私には絵を描くこと、建築を設計すること、簡単な自炊すること、家族と連絡を取ることなどできることは残されています。でも今は暗然としてあまり思うようにできていません。

ウクライナ

建築専門メディアによれば、建築家やデザイナーたちもこの理不尽極まりない戦争のために事務所を閉鎖し、国外退避を余儀なくされ、学ぶ機会もクライアントとセッションする機会も市民のための建築を作ることもままならないと伝え聞きます。
このような状況はあらゆる業種に及んでいると思います。

訴える方法は外部に接続、開放されているので、ここでなにかの効果を期待するつもりはありませんが、建築家として都市施設・住宅にまで砲撃・破壊することは何人たりともあってはならない許すことができない蛮行です

コロナ禍で不安定な気持ちの方もたくさんいる中、蛮行のために鬱積していますが、できることを行い、冷静に過ごしていきましょう。

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1171. 思慮深く、注意深く

maemi fuminori [Date 2022-2-15]

年末に、年明から増える兆候が出てきていると書いてからひと月で驚異的な伝搬力を見せつけているオミクロン株。ピークは過ぎたようにも見えるが、緩やかに下り、急減はなさそうだ。
デルタ株が収束し、専門医の間では「そういう時こそ次の別の変異株が出てくる予兆」でもあるという話も以前触れたが、まさにそうなり、7波、それ以降もありえない話ではないことくらいは理解できる。
今は僅かとなったデルタ株とBA.2の亜種が鳴りを潜め、市中は混在した緊張感ある環境になっているという理解。

イギリスではデルタとオミクロンの組み替え体の監視調査が始まっているとか。
https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-variants-genomically-confirmed-case-numbers/variants-distribution-of-case-data-11-february-2022
花粉症の季節に入るのでより診断する側も大変さを伴うであろう。

日々の行政報告でワクチン接種回数と感染者の関係も報告されているが、一方で接種したかどうかの聞き取りが取れない「接種不明数」もかなり多いという感想とともに、2回接種の感染者数も未接種同等くらいには感染していることから、文献を漁ってフィードバックしてみると、どうも、やはりというべきか、オミクロン株へのワクチン効果については免疫逃避能力が高いというのが海外研究では常識のようだ。

MITの抗体回避能力の研究、家庭内感染が増えるわけ
https://scitechdaily.com/mit-research-reveals-how-omicron-escapes-from-all-four-classes-of-antibodies-that-target-covid-19/

また、カナダのある研究によると、デルタ感染に対するワクチン効果は時間経過とともに着実に低下したが、3回目の接種で7日後には93%まで効果が回復し、一方オミクロンに対しては37%しか効果が回復しなかったというから、ウイルスも生き延びるのに色々もがいているようだ。

もちろん色んな意見はあるだろうし、短絡的に判断すべきではないが、現実これだけ急増している理由が単に「2回接種で気が緩んだから感染対策がおざなりになった」ケースが増えた、というたぐいの性質ではなく、3回目でも4回目でもオミクロンの特性上今あるワクチンの効果は相当限定的なんだろうと考え、それ以外の対策を強化継続するほうがマシなのだろう。
決定打など無いと思って過ごしたほうが良い。

だからこそ、3回目のブースターはどうなんだろうと疑問符がつくのは素直な感覚だと思う。今回のmRNAワクチンは私自身、デルタ対応に効果があるであろうことを信じつつ、内心、懐疑的な側面も払拭できていない中で2回接種した。実際、8割接種の小金井市でも0件が続く日も増えていたし、その中での日常を模索するテストも行い、お陰様でなんともない日が今も続いている。

だが、その〈デルタのときの〉効果を他の変異株についても同じだと盲信してはダメだというのが研究内容だと思うし、3回目については慎重になってよいだろうという立場だ。
在庫処分だなんて意見もあるし、オミクロン対応のワクチンを開発、でも100日かかるよなんてニュースもあって、まさに今治験真っ只中だったりするので、今供給されて打とうとしているワクチンが未対応ワクチンであることくらいは理解できる。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-pfizer-vaccines-idJPKBN2JZ1MU

そして当たり前だが、死亡との因果関係が定かにできない日進月歩の現代医学の中で、副反応報告における死亡例をないがしろにするべきではないし、私だって世の中のためと思って3回目で免疫が悪さして亡くなってしまうことだって否定はできない。誰もが老いるし死も平等に訪れるが、事故や薬害では勘弁願いたいと常日頃思っている。
そういう新規リスクの中で社会活動のベネフィットを獲得しようと一応なりにも考えながら試行錯誤して生活している国民ひとりひとりに対して思慮深さが足りな過ぎはしないだろうかというのが大前提だ。

お隣の国では日本よりも接種率が高いのに4回目が必要という話も出ている中で現実的に収拾がついていないのだから、個人的には「みんな打て打て」や「100万人目標だ」ではなく、打てと言われているワクチン(弾)は何に効く弾だったのかを思い返した上でどうするか決めても遅くはないだろう。
先ずはクラスターが多発している職域や高齢者との接触が日常的な方々を優先的に考えて、現場の判断に委ね、動向を伺ったらどうかと思う。無料検査についても資源が不足しているのだから、必要な職域に限定してもらったほうがいらぬ偽陰性・偽陽性を増やすロスも省けるだろう。

それぞれの株に対して感染したほうが、その株に対しての抗体がきちんと付く、という話もあるようだが、後遺症の症例の多様化やメカニズムも未解明の中で、私はそんないらぬ冒険はしたくない。少なくとも今の状況で一本足打法は通用しないと思っているので、うっかり罹ったらそれはその時だとは思うが、敢えて不要不急の冒険的テストは極力控え続け、できる予防は継続していこうと思う。

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出典:札幌医科大学医学部フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門

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1170. 新型コロナ都内モニタリング公開場所の変更

maemi fuminori [Date 2022-1-25]

この度、「新型コロナ都内モニタリング」は、Actibities の「新型コロナウイルス感染症予防ガイドライン」の欄に移動し、「COVID-19 新型コロナウイルス感染症予防ガイドライン」と併せてご覧いただけるようにまとめました。
モニタリングは最新月のみの公開ですが、ご参考ください。

4月4日更新
都内モニタリングは新年度より終了と致しました。

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1168. 良いお年をお迎えください

maemi fuminori [Date 2021-12-29]

本日は仕事納め。

正直、コロナ禍はリーマンショックよりきつい。
飲食、旅館業への支援がもっぱら経済を回す代名詞として大々的に扱われたが、建設業も同様にウッドショック、スチールショック、プラスターボードショック、輸入資材高騰や半導体不足をモロに受け納期が遅れるなど、いまだに不安定な〇〇ショックが続いている。
当事務所はこの2年で見込み案件が2件流れた。

今年運良く自宅の給湯器を交換できたのだが、現在東京に限った話で言えば五輪選手村の給湯器(追い焚き不可らしく、五輪選手向け仕様だろう)を取り外し、必要とする家庭へ届ける取り組みなど弾力的に行われているそうだ。

そこに追い打ちをかけるようにSDGs(2030)、カーボンニュートラル(2050)のゴール設定に応えるべく、省エネ建築を増やすことが求められるわけだから、設計・製造の頑張りだけではどうにもならないのは一目瞭然。先日、政府から買いたたきをしないよう、「原材料の価格転嫁拒否」に対しても釘を刺したそうだ。国税庁からよく、「消費税の価格転嫁拒否をされたことがあるか?」というアンケートが届いていたのでそれは承知していたが、サプライチェーンの窮地で原材料についても懸念が起きたというわけだ。

当事務所は最低設計料を設けているが、設計料の見積りで毎回悩みながら電卓を弾いている。
しかし上記のように、気候変動やサプライチェーン問題から来るスペックの見直しなどの諸問題が前景化している現在では、相場化してる坪単価や類型化されたプランニングを当てはめるだけでは希望の予算で購入できなくなることも往々にしてあるだろう。その希望購入予定額の前提が崩れているのだ。
それらを統合し解決するのもデザインだという意見もあるかも知れないし、できるだけ「お得感」が生まれる努力も怠ってはいけないが、デフレに慣れすぎるのも問題である。
もはや平成までの商慣習的な限界点はとうに超えたという認識を持っている。
先行き不透明な状況が続くが、丁寧かつ真摯に、掛かる諸費用を説明し理解を得る努力は行っていきたい。

住宅ローン控除率引き下げも話題となったが結局、一般住宅よりも認定住宅やZEH住宅を求めたほうがお得ですよという誘導になっているので、それを希望された場合の設計料や工事費は自ずと引き上げられるので、平均所得が下がり続けている現状においては、中古住宅を購入してリフォームするような需要が当面は続くだろうと思われる。
だからこそ、大企業の賃上げは重要なわけだが中小より腰が重いようだ。
知っていたがアベノミクスは株主優遇政策で実体経済は何一つ改善していないことが明らかにされ、トリクルダウンも嘘でした、富むものはますます富み貧富の差が拡大した。
建設工事受注統計が書き換えられた問題も記憶に新しい。

消費税減税を公約に掲げた各政党も日の目を見ることはなかったが、この国は本当に税の取り方も使い方も政治家自身には甘く、我々には厳しい国だと思うわけだが、「新しい資本主義」が未だに何なのか見えないものの、例えば和歌山県の水道橋崩落事故や、建設残土や産廃の処理方法や山の皆伐による土砂災害リスクの増大、そこに建設されるメガソーラー誘致のような環境ビジネスやESG投資に陶酔や傾注することなく冷静に地域住民の便益を守るために必要な立法はしてほしいと思うのである。特に外資系企業の誘致は許認可のハードルを上げてもらわないと山林は悲劇的な状況が増大する。

先程、近所の小金井神社に「幸先詣」へ。
私が小学生の頃、河岸に白鬚神社というのがあって3.11で流失しその後移築されたのだが、当時境内は子供の遊び場として開放されていた。
学校から帰ると自転車で急いで出向き、サッカーや草野球、社殿の縁の下でかくれんぼなど夢中になっていた。
小金井神社は住宅地に佇むだけあって、境内は似たような広さで懐かしさを覚える神社だが、遊び場としては開放してないようだ。その目の前の道路でボール蹴りをしている子供を見かける。

本コラムで続けてきた「都内モニタリング」。
よくもまあ、飽きずに続いたなと思う。しかし、懲りずに可視化することで東京のまん延がどのように拡がるのか掴むことができたのは収穫だった。
以前、オフィス空室率に触れたが、東京は7ヶ月連続で「転出超過」が続いている。
城東、城西、城北、城南、都心5区、都心3区など不動産業で用いるエリア分けで見るとまた違った見方もできる。

年明けからオミクロン株の急増が、例えばGoogle AIで予測されており、「都内モニタリング」も毎週増加気味だが、死者、重傷者数が抑えられれば報道の煽りに脊髄反射したり過度に怯える必要はないだろうし、世間的にもそういう気分が多いのではないだろうか。
さて、WHOはオメガ株まで変異したらその先はどう呼ぶつもりなのだろう?
「ただの風邪のひとつになりました」と宣言するのだろうか。
問題は「情報禍」をいつ、だれが鞘に収めるつもりなのか、誰もわかってなさそうだということではないだろうか。それともわかっていてシナリオ通りだとでも言うだろうか。

他にも書き綴りたいことは積もり積もっているがそこは堪らえつつ、
2022年が少しでも幸先の良い、回復の年になることを願うばかりだ。
とは言え、今年も帰省を控え、静かな年越しをしようと思う。


どうぞみなさまも良い年をお迎えください。

※年賀状はやめる事にしていますのでどうぞご了承ください。年明けは10日(月)より営業です。

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1165. 残すべき場所について

maemi fuminori [Date 2021-11-29]

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日テレNEWS24より。画像をクリックすると記事リンクに飛びます。


10月時点、東京のオフィス平均空室率は6.47%。港区では8.64%。
(大阪4.45、名古屋5.39、札幌2.80,仙台6.30、横浜4.68、福岡4.66らしい。)
分水嶺と言われる5%を超えている。
テナント面積を縮小、解約する動きが増える中、これらは中小IT企業の動きだとする楽観論もあるようだが、定借を条件としている大手ビルオーナーは満期を迎え(地方移転など含め)解約する動きに怯えざるを得ないと言われている。空洞化が進むのかどうか、注視している。

香港や南アの新たな変異株への水際対策強化が報道される中(成田/羽田/中部/関空到着の12人感染の報道入る)、コロナ禍前に設計され、コロナ禍で着工され、アフターコロナあるいはウィズコロナで開業を迎えるであろう目玉再開発事業もあるようだが積層されたオフィス・客室需要がどの程度満たされるのか、他人事だが気になる。
他にもコロナ禍が訪れる前に竣工・オープンしたものの、コロナ禍で(運営上)休館や一部閉鎖する公共施設も数多くあったと思うが、どのくらいこの公衆衛生上の不測の事態を想定されていたのだろうかと、これまた気になったりもする。

一方、コロナ禍で勝ち取りこれから詳細設計に入るような当選案などを見る限りでは、換気量の基準を重視して感染対策を盛り込んだものが主流になっているように思うが、そう考えると単体の建築設計過程においては仮にVOCに指定されるウイルスであっても、国が定める換気量さえ満たしていれば特段ナイーブになるとか、極端な感染症対策のプランニング開発など、「検証しようもない提案」を先んじてする必要性はないだろうと思う。
むしろ、コンペティターや運営者が口を開けば「賑わい創出」に対して運営面からどの様な切り口で取得予定の建築物を捉え発注するかという募集要項や条件設定の方が難しくなっているのではと察する。

住宅市場においては玄関脇に手洗いやウォークイン・クローゼットなど手前で消毒などできる商品も昨年あたりニュースで見たが、コロナ前からあるし私も手掛けた経験があるので目新しさはなかった。むしろ、いざ患者が自宅療養せざるを得ないときに写真映えする吹き抜けなどで部屋同士が繋がりすぎて区画形成できないオープンプランニングこそ、こういう場合は運用上の課題にすべきだろう。

空室率増に見られるような借り手のニーズの変化に対応できない過剰なユニバーサルスペースや、埼玉など隣県への流入増加に見られるようなテレワークによる通勤への価値低下や本社と言えば東京のような立地ステータスへの必要性の低下が拡大したことから来る、事業規模の見直しのほうが重要だろう。象徴的なランドマークはますます不要になっていく。

東京がこれからどのような都市を目指していくのか、もはや全体像など誰も知り得ないだろうと思う一方、がんじがらめの都市計画法にもはや新たなマスタープランを描くこともままならない窮屈さを感じる中で、逆に日本全体をどう底上げしていくつもりなのか、V字回復とは言うは易しだが政治・社会報道を俯瞰する限り、細々とした政策だけではどうにもならなそうである。

コロナ禍以前から単体プロジェクトでもいろんな事柄は意識して取り組んできたつもりだが、より一層、根源的な住まう場所・働く場所・憩う場所、総じて日本という居場所について考えることは日に日に増えてゆく。
ただ、建築設計で実践に移せないことが歯がゆい。

地政学的には難しい立ち位置は変わらないままであるが、日本は世界に類を見ない様々な困難やそこからの経験を積んだ国だ。
その居場所がこれからも多くの人にとって頼もしく、居心地の良い場所であって欲しいし、能動的にしたいものである。

というわけで脱線しましたが、微力ながら広島市の旧陸軍被服支廠の全棟保存について
今年5月にchange.orgでの署名活動を知り、署名いたしました。

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1164. テストスタディ

maemi fuminori [Date 2021-11-16]

デルタ株で急増した際に、しばらく出口は見えなそうだと書いた8月から3ヶ月。
国内の2回接種率も75.4%(11月16日公表)まで向上。
小金井市は医療従事者除く、住基台帳登録の高齢+一般で83.6%。
市内の発生件数もゼロ報告で更新中。8割超えが目安なのかもしれないなど。
3回め接種の話も増えてきたが、自分はクリニックでの抗体検査を受けてから考えようと思う。
いずれにせよ、今後も良い傾向が続いてほしいものだ。

無理やりコロナ前に戻る必要はないと思っているが、良い傾向が続く中での慣れ方、振る舞い方も少しづつ増やしてやっていく必要がある。

日用品の買い物は何ら不便も問題ない。
人との交流場所でどうかというテストが必要。

というわけで市内の居酒屋やバーなど、時には人との交流を求めて慣らし運転を始めています。
居酒屋はどちらかと言えば食事目的で行くことが多いので、普段と変わらずカウンターで静かに食べ、仕切り越しの店長と世間話をして終わり。
バーやカフェは基本静かに嗜む空間ですが、中には酔いに任せて声が大きくなる若い人もいる。
これはコロナ云々以前に場違いな振る舞いなので控えめにお願いしたい。

とはいえ、隣の見ず知らずの人とマスクを外し談笑したのは何年ぶりだろうと感じるほど感慨深い。
仕切り越しのマスターやバーテンとの会話も心地よい温度を感じる。

そんなテストをしては2、3日おとなしく過ごし、経過観察を行っては発症してないことを確認。
そうやって、あらためてこのエリアには行政報告通り、ゼロコロナが実現できていることを実感する。
と、事はうまくことは進まない様子。

慎重すぎると思うかもしれないが、例えば実家からようやく
「そろそろ帰省しても大丈夫じゃない?」と言われるように、東京はじめ大都市圏から他県へ移動することへの慎重論が消えない限り、個人個人、独自に様々な日常レベルの試行錯誤や心的負担があるのだということは知ってほしいと思う。

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1161. 相談案件

maemi fuminori [Date 2021-9-11]

まだ未確定なので詳細は明かせませんが、物件を見てほしいというご相談を受け都心へ。

大変なこともいっぱいですが面白くなりそうな予感。

無事スタートが切れ、街の活力として素敵なプロジェクトへ昇華できますように。

→その後、適法調査を行い、借りてしまった場合、用途制限に抵触することが当方調査で発覚。
こんな基礎的要件を素人の相手方に伝えること無く貸そうとする悪質性に憤りを禁じえないわけだが、クライアントには契約しないよう進言し、被害を未然に防ぐことができた。
とは言え、用途制限の規制緩和も一部始まっているが、その緩和の手続論が未だに煩雑でコロナ禍で苦しんでいる出店者らにとってハードルが高く、さらなる見直しは新政権の課題ではないだろうか。

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1145. 選べること、住むほど価値が生まれることが大事

maemi fuminori [Date 2021-4-23]

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始まったと思いきや、新築住宅への適合義務化で概ね一致と・・・運用前になにも議論してなかったという感じでしょう。
新築住宅への太陽光発電パネル設置義務化まで飛び出したようで、環境ビジネスとしてのインパクトは大きいことから、特定利権への忖度が伺い知れます。
※ESG投資を指す。

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当事務所では、住宅着工数が年々減少傾向でもあるので改正法運用の経過観察も含め、小規模住宅は「説明義務」止まりとして、施主に選択可能性を残しておくのが望ましいという立場ですが、記事にあるように、規模に応じて段階的に規制していくのはありではないかとは思います。

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一方、太陽光発電パネルについては気象、景観及び室内気候を考慮した屋根デザインに注力する私たち建築家はじめ、SDG'sを尊重する建築家協会や建築学会等がどのような見解を持つのかも気になるところです。見上げたらパネルが美観を壊す。それは美しい街並み形成に逆行しますから工夫が必要。
蓄電池ユニットをご所望の方であればメリットは大きいですが、それでも日照条件の悪い土地や積雪地帯には不向きなので、「日本の屋根をソーラーパネルで覆い尽くしたい!」など意気揚々と言われると、CO2減らしたい気持ちは理解できるものの、(わかってねえなぁ...)とこれまた呆れてしまいます。

4/30追記

環境省がやるべきは、省エネ的にもグリーン的にも減価償却資産の耐用年数が一体いつまで22年設定のままで、その時が来た途端無価値になってしまうんだ?ということに対してもっと懐疑的になってほしいんです。林業従事者、森を守るのに大変苦労されてますよ。せっかく施主が木を使いたいとかぬくもりが欲しいとかオーダーして得た資産が時間とともに無価値になるって馬鹿じゃない?ってことに敏感になるべきです。
川上から川下の産業まで俯瞰的に捉え、森林保全や林業従事者にとってもメリットが生まれるようなインセンティブを住宅建設の際に逆に付与してあげたり、最終的な消費者にとっても木造を長期所有することのメリット=資産価値が最大化するような施策を用意したり、社会の木造への認識転換を諮る方がずっと大事だと思います。

6月にも結論をまとめるとのことで、建設をご検討の皆様にとってもこの追加的コストを受容し得る予算計画かどうか、注目すべき内容ではないかと思います。

併せて「省エネは複雑系」もご参考ください。

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1143. コロナ禍における公益や不利益や社会通念とはなにか

maemi fuminori [Date 2021-3-29]

"建築主が行政指導に従わない意思を表明している場合、建築主の不利益と公益を比較衡量し、行政指導に対する不協力が社会通念上の観念に反しない限り、行政指導が行われるという理由だけでの建築確認の留保は違法。(S60.7.16 建築確認留保)"

行政書士試験に出題される過去の裁判判決のひとつ。

これを読みふと、先日の新型コロナ改正特措法に基づいて某飲食店事業者(を狙い撃ちしたかのよう)に出した時短命令に対して、事業者側が「営業の自由の保証や法の下の平等に反する」と提訴した件を思い浮かべました。
法令遵守を原則とする士業である以上、別業種の話とはいえ判決が気になるところです。

現時点での時短営業の要請/命令は自治体全体で一律に営業時間を短縮することで来店客の総量を減らし、接触機会そのものを減らすことで感染機会そのものを減らせるであろう、という意味合いだと解釈しています。
一方、店側が通常営業時間の中で自主的に入店客を制御する方法も採れるので、それこそ社会通念(コロナ禍、コロナ禍以降の暗黙の了解)上どちらが望ましく、どちらがより感染リスクを減らせるのか(これを公益と仮定)、そして、1日2~6万円の補償を前提とした場合、一律時短営業の場合と感染状況を鑑みた上での通常営業で各事業者が入店制御を実施した場合の事業者不利益はどちらが大きいのか(比較衡量)。

そして、感染状況の異なる多摩地域と23区(区内でも状況に差がある)の事業者が一律で同じ要請/命令に従うことは憲法上も感染症対策としても正しいことなのか。
論拠が出揃わないままだと、裁判官は判決を出せないのではと個人的には思えてしまいますが、出せてしまうのでしょうか。

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イート・インもできる近所のパン屋さんの入口案内:時短協力と独自人数制限を組み合わせている

東京都は感染防止ステッカーを申請させて貼らせるのにも「感染防止のチェックシート」を書かせているわけですから、特措法の範囲内という根拠があれど、お墨付きを与えておきながら尚協力しないからと命令を下すようなことはあまり感心できません(某事業者がステッカー申請してるかは不明ですが)。命令を下すということ(時短しろ)と、行政側が付与した感染防止ステッカーの効果(対策ができてる店という認証)に矛盾があるのではないでしょうか。

カフェから高級レストランまで、客単価もテナント料も固定席かフリーアドレス、商業地域か否かでもコンディションに大きな乖離がある業態にそんな一律のエビデンスが出せるのか知り得ませんが。
(逆に面倒な状況だから一律に網掛けでいいかとしか見えないが、そこが東京という巨大都市の難しさと言い切ってよいか考える余地はないだろうか)

現在、宣言延長の効果虚しく、東京都全体ではステージ2から3にぶり返し増加に転じ始めています。
年末からの時短は一定の効果はあったのかも知れませんし、時短だけの効果だとも思っていません。
しかし、解除しても段階的な対策をといいつつ、まんえん防止重点措置(まんぼう)に移行するよう政府から都に打診している様子もなさそうなことからも、都も現時点では「宣言」と「まんぼう」の空白期にあり、呼びかけ止まりなのは歯がゆさもあるでしょう。
(まんぼうは都道府県独自に発令できない、政府が決め打ちした自治体に対して出せるもののようです)

まんぼうが増加傾向にあるときには使えて、減少傾向では使う想定はしていないというよくわからない趣旨の法律らしいですが(減少傾向から更に抑え込む対策が用意されてないということを宣言してるようなものでは)、それならば再増加に転じている現段階は上っているのだから、急拡大前の今使わずしていつ使うのかと思ってしまいます。
それを様子見でまた大事になってから慌ただしく対処するのかと思うと、この国は恐ろしく命を粗末に扱う国だなとも思うし、時短の件も命令を下す前にもっと丁寧に事業者と対話をしてほしいものです。

5/9追記
4/9付で内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長から東京都、京都府、沖縄県知事宛への通達

3/29追記
国/都の対比的な記事

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1141. 改正省エネ法

maemi fuminori [Date 2021-3-15]

4月から始まります。

・300㎡未満は非住宅/住宅ともに「説明義務」に留まりますが、それ以上の計画には「届出義務」、「適合義務」が課せられますのでご注意ください(下図参照)。
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・300㎡未満の計画では建築士から提示される説明書と以下の説明リーフレットを用いて建築主への説明がなされます。図は住宅用のもので、非住宅では別様式があります。
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SDGsは従来の様々な物事への取り組みについての意識を変えてゆく内容で、建築も否応なく求められていきます。住宅のような小規模な建築でも機能性や快適性はもとより、我々作る人と使う人双方の意識を環境問題に向けていくことが求められます。

また、最近前景化し国際問題となっている「現代奴隷問題(奴隷労働、強制労働、児童労働、囚人労働、人身取引)」では、実は身近に使っていたものがそのような労働によって作られたものか否か、非常に国際的にシビアになっています。
建材や設備機器においても、製造企業側の現地確認や誠実なステートメントはクライアントに最も身近な我々設計者にとっても非常にデリケートなものです。

当事務所では設計過程における仕様選定において、十分各メーカーのステートメント等を確認しながら、クライアント様への提案・意思決定の透明化をお約束致します。

併せて「省エネは複雑系」もご参考ください。

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1133. ミスから学ぶコロナ対策

maemi fuminori [Date 2020-11-15]

ミス1. 換気の悪い空間で友人や家族と小規模な集まりを何度も開く
ミス2. ウイルスにさらされた際に適切な期間、自己隔離をしない
ミス3. 自分は家にいるから安全だと考える
ミス4. ウイルスにさらされたら、できるだけ早く検査を受ける
ミス5. イベント等、オフィシャルで何かが許されているからそれらは安全に違いないと考える
ミス6. コロナ対策は、1つやっていれば大丈夫だと考える
ミス7. しばらくは続く「これまでとちょっと違う」生活習慣を無視し非協力的な態度を振る舞う
ミス8. 友人や家族は自分と同じくらい注意を払っていると考える
ミス9. 自分が生活している地域の感染状況を無視する

より引用し、一部再解釈・意訳しました。

都内モニタリングの一つの形として、1週間累積のマップを完成させてみたのですが、
これによって動向が一目瞭然となりました。

都市部の商圏は誘惑だらけ。
年末年始に近づくにつれて人と出会う機会も増えることと思います。

繁華街→家庭内・会社・学校→介護・医療はじめとする施設内感染

という流れでウイルスが移動する傾向にあるということなので、
「犯しがちなミス」を減らして、常に他者をいたわり、協力的な関係を築きながら、
感染機会そのものを減らし上手に生活したいものですね。

行政会見も、マスク・手洗いの啓発、啓蒙も大事ですが、こういう失敗から学ぶわかりやすさも欲しいところです。

11/21追記
「日本モデル」で湧いた第一波の頃、なんのことやらと「モデルの定義」(≒蔓延防止の法則)を示してもらいたいとコラムでも綴ったわけですが、その後APIが報告書で記述しています。
先月読んだ記事ですが、貼りたい気分なので置いておきます。

"賞賛に値する成果を出したはずの「日本モデル」。しかし政府の新型コロナ対策に対する国民の支持はなかなか広がらず、国際社会も日本の対応の効果に引き続き懐疑的な視線を向けた。そもそも「日本モデル」は本当に「モデル」と呼べるものなのか。・・・もともと日本の感染症対応の法体系は、長期間にわたる蔓延防止措置の必要を想定した設計となっておらず、・・・「日本モデル」の形成過程は、戦略的に設計された精緻な政策パッケージのそれでなく、さまざまな制約条件と限られたリソースの中で、持ち場持ち場の政策担当者が必死に知恵を絞った場当たり的な判断の積み重ねであった。・・・しかし、場当たり的な判断には再現性が保証されず、常に危うさが伴う。・・・"

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1130. 革新的な道具は発想も変える(でしょう)

maemi fuminori [Date 2020-10-29]

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テスト良好 #LiDAR #AR #VR #3dscanning #landscape #apple

前見 文徳/Fuminori MAEMI(@fumi.maemi_architect)がシェアした投稿 -


より身近になった3Dスキャン。
特に土地の簡易実測(難易度高)、リフォーム・リノベーションでの既存建物の空間をデータ化するような設計支援ツールとして活躍してくれそうな手応えを感じるクオリティ。
住宅規模なら十分ではないでしょうか。
クライアント側でも、データを共有した上で内装工事が進んだ段階での家具購入・配置の検討などでも重宝しそうですね。

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1125. 映画館の換気実証実験

maemi fuminori [Date 2020-7-31]


シネマトゥデイで全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)による実証実験動画と記事が紹介されています。

3密に対する一般利用者の不安解消と、思い込みや思い違いによる風評被害を生まないためにも、各業種でこのような取り組み・検証の公開が増えると良いのではとも感じます。

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1123. 空間的な感染の広がりを考慮して

maemi fuminori [Date 2020-7-22]

高橋 義明:中曽根平和研究所・主任研究員

当事務所が感染防止対策の一環として23区と多摩地域を、さらに区市町村別に分解してモニタリングを試みる中で生じた疑念について理解を深める記事でした。

陽性率を新宿区、豊島区のように個別算出・公表せずに、都全体で計算する手法も問題に感じましたし、発生件数の集計・公表方法、タイムラグなどはメディアでも既出ですが、厚労省職員と話す中で一層疑問を抱いた「自治体ごとに異なる情報公開の姿勢」の綻びについても書かれています。
これでどうやって各対策本部はモニタリングを評価しているのか疑問が深まるばかりです。

7/22加筆
東京都に対して福祉保健局と感染動向HP制作班と調整して「区市町村ごとの陽性率」を公表するよう要望しました。

また、特筆すべきは
"濃厚接触者だけを追っていると感染経路不明として一括にされ、こうした空間的な感染の広がりを見逃していた。"

という居住地→勤務地の経路のような「空間」に言及された一文は的確で共感できるものです。

自分が手探りで疑問を感じながら動向把握に努める中でこうして一歩踏み込んだ記事が読めたことはとても心強いものとなりました。

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1118. 東京問題とはどう捉えたらいいのでしょうか(問題提起)

maemi fuminori [Date 2020-7-13]

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4月からこつこつと記録している23区と多摩地区の累積患者数からは、追えているクラスター以外の患者が増えていることが読み取れます。
軽症者ばかりだと言うけどその軽症者が重症化する可能性もあるということはあまり触れない感じですよね。
7/24加筆

一方で、こつこつと記録を続けると、報道の都道府県別の推移のグラフや政府の会見、保健局の発表だけでは心もとなく感じてもいます。
また、以前紹介した「トラジェクトリー解析」のような収束傾向を把握するグラフも有効ですが、やはりマクロ解析なので、「東京問題」と揶揄される現在において、それらが疫学的な視点での情報でも、都市間問題としての戦略の立て方や検査の介入の仕方に利用するには限界があるだろうと個人的に感じています。実行再生算数?なんだそれという感じになり、暮らしにおいて全く実感が湧きません。

現在、手弁当でデータの打ち込みをしています。
やっていると知りたいデータが公表されていない事がわかります。
上図はその一例ですが、区市町村別(島しょ部を除く)の累積患者数を、人口と比較できるようにつくりました。
相対的に人口が多ければ患者数も多いのは当然ですが、区市町村別に見れば必ずしも人口が多いから患者発生数も多いとは限らないことがわかります。(例:町田市)

こういう感じでいろいろな角度の情報が見えてくると次は、鉄道のレイヤーから人流の把握に努める。
例えば巷で、新宿や埼玉の多さ、神奈川での再発などから湘南新宿ラインで南北に運ばれているのでは?という推察などもされるようになる。
では、具体的に、とある一日の乗車客に集団検査協力をお願いしてみよう。
拡がりが地図で確認できるようにしよう。

そういうイメージです。
そういう、きちんと一連の都市レイヤーを総なめしながら、
インフラも巻き込んだ「パッケージ化された都市型の検疫体制」と「その見える化」を私は求めています。
下水道からウイルスを見つける取り組みもこれに包括されます。
都市生活者は仕事も遊びもこなしたい、好奇心旺盛な人が多いから人も情報も物も集まる、だから都市なんだという至極当たり前の考えに立脚すれば、あらゆるレイヤーをデータで視覚化するのは都市戦略として当然の流れですよね。

テクノクラートはこういうシステム構築に頭を使ってください。たぶんもう、感染症専門家だけではだめな領域に入った気もしています。
豊島区(7/12時点で306人)は日々突出して多いわけでもなく、豊島区をモデル地区にするならそこを上回る港区(409人)や中野区(398人)の方もやったらいいじゃないと思ったりもします。

今後は
・インタラクティブなタイムラインでわかる日別累積患者数
・区市町村別の日別患者発生数

などもつくりながら、動向をモニタリングしたいと思っています。
疫学のプロじゃないので本当に難しくわからないことのほうが多いのですが、
このように分解して見ていくことで、どの特別区、市町村で発生傾向が強いかとっかかりが見えてきます。
逆に疫学のプロこそやってくれといいたいです。

私が常々知りたいのは、特別区と市町村別の動向なんですね。
それがマスコミからも保健局からも一向にでてこない。だから保健局に作ればと提案しました。

全体像として、今日は何人増えたギャー!
アホかと思います。

実は、福祉保健局が発表している公表数は不明者や修正などで、上がってきた検査結果を後日訂正する事が前提となっているので、例えば7月11日と7月12日の公表数の差分=日別患者数とは純粋にはならないそうです。
つまり、保健局の公表数は「二次情報」で加工が入る、私達は数値を報告する側の「一次情報」を知る必要があります。

例えば、江東区や小金井市のような独自でHPに公表しているような、日別発生件数を「区市町村ごとに捉える」ことで、「東京問題とは、どこをさして言うのか?」、「どこをピンポイントで疫学調査を行うべきか?」を検討するための足がかりになると考えます。
逆に、新宿区のようになぜか公表しない特別区が存在すると、都民は全体像を踏み込んだかたちで理解する機会を失います。
これは大きな損害です。

ということで、手弁当でこつこつとやるしかないのですが、
もちろんこれらは、施設という「場所」を発見できるものではありませんよね。

あくまでも、「東京のせい」と一概に揶揄することなく、より客観的にエリアの感染動向を把握した上で、確実に増えてそうなエリアに対して注意喚起(広報)を促し、疫学調査を行う人達がより踏み込んだかたちで、そのエリアに立地する企業(従業員何名以上とか規模の目安を決め)に人材とコストを効果的に配分してPCRの集団検査や、N抗体だけじゃなくS抗体も調べられる精密抗体検査の実施数を増やすという感じのなんらかの手がかりを見つける進め方が、いかにも混沌とした現代都市型の検疫の在り方という感じがしています。
原始的なマスクして距離をとってとお願いするだけじゃだめよねと思います。

おそらく、都もCDC創設と言われてもどんなフローで肥大化した現代都市を防疫すべきなのかなんてわかってなくて、暗中模索だと思います。
だからこそ、いろんなアイディアが必要だと感じます。
アイディアを持っている方は都に提案してみてはいかがでしょう。
私のこの問題提起はあなたの問題でもあります。

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1107. ポスト・コロナを巡って~対症療法としての新しい生活様式とこれからの建築の空間形式~

maemi fuminori [Date 2020-5-24]

クルーズ船に始まった国内コロナ禍も紆余曲折あれど、2月から4ヶ月程で収まりつつあることに、国際情勢と比較した上でまずは素直に安堵しました。
この4ヶ月をどう総括するのかは多方面、各メディアやレビュワーのコメントなど読み進めたいところです。
これまで感染動向を識るために綴ってきました。景気悪化、第二波等にどう立ち向かい生活を維持していくか悩ましい長期戦ですが、今後はひとまず終了とします。
お付き合いいただいたみなさまありがとうございました。

3密がパワーワードとしてバズったわけですが、人と人の距離、建物、室内環境、都市構造という点では建築物そのものを扱った記事がものすごく少なかったのも特徴的だったということは書いておこうと思います。

その上で当面は
・防疫・医療インフラの強化・準備時間
・段階的緩和による営業再開と経過観察体制づくり
・日常的な追加的エチケットとロードマップの共有

のような大枠が有機的に結びつき、試行錯誤しながら新しい日常が進んで行くのでしょう。
宣言が解除されたら特措法の効力も失うのだから(都知事権限はなくなり)東京都のロードマップは無意味だという解釈もあるようですが、解除は対策を講じながら段階的緩和でなければならないというのは政府も言ってるわけなので連携しながら経過観察もしていくという点で間違ってないと思います。
ただ、別に「日本モデル」でもなんでもなく、米国シンクタンクが3月に公表しているのを読んでいて、おそらくは大体の先進国はこのモデルを追従するのではと想像しています。

内心は、ディテールなしに随分思い切った宣言解除をしたものだというのが正直な感想だったりもします。
「新しい生活様式」に象徴されるように、寝耳に水のような"ライフスタイル"をいきなり作れてしまうあたりに、些か行政の暴力性を感じたのも肌感覚として事実です。
それに対してマスコミによる無批判なというか、収束ムードの中でディテールを詰めない「新しい生活様式」の喧伝にも逆に不安も感じるところです。
近所を散歩すると、飲食店は都のフェーズに従った営業時間でやってますが、家族連れなどが対面で楽しそうに食べる光景は普通に残ってますし、この「新しい生活様式」って本当に定着するのだろうかという疑問もあります。

withコロナとか、アフターコロナとか聞きますが、プレモダン/ポストモダンに倣いここでは「ポスト・コロナウイルス」としています。
私もまだ開かれたばかりの話なので考えが及んでないことがたくさんあるのでご了承いただきたいですが、大きく2つの世界が開かれたと思います。
ひとつは厚労省が出した「新しい生活様式」に対する捉え方。
徹底したエチケット強化と慣習化であり、既存都市空間での「対処療法の促進」です。
段階的緩和で字義取り"終息"できたときに、あるいはワクチン接種が可能な日まで続くものであり、そのあと距離戦略やフェイスシールドで接客していたものが不要になるという類の対処。

あるいは、ドライブスルー方式で鮮魚や弁当を受け取るような業態変化や、座席レイアウトの見直しとそれに伴う利用客減少分をECサイトで補填するような販路拡大もこれに当たると思われます。
逆に手指消毒の徹底のようなものはチェーン店や少し意識の高い店であればコロナ禍以前からやっているので国内公衆衛生上では珍しさはないように感じます。
医療や学校、飲食店以外でやっていなかった業種がやらざる必要性ができたというのが正確だと思いますし、外食先に消毒液が備わっていても、これまでなんとなく通り過ぎていたのが必須になるような感覚でしょう。
今回ほとんど政策的にも報道的にも取り扱われることは皆無に等しかった建設業界も人を招くわけで、設計事務所でも必須になるでしょう。
マスクで済ませるのか、フェイスシールドまでお互い付けて打合わせを行うかは方針に差が生じるのでしょう。
同時に、来客もマスク着用が基本となるでしょうが、忘れた場合の来客用マスクの常備も必須になるでしょう。

一方でエチケットによる対処療法だけでは難しい業種もあり、劇場のような古典的な鑑賞"スタイル"については、例えば距離戦略を前提条件にしてしまうと、収容人員が20%前後まで落ちるような試算もあるようですが、それに対してどのように従来の収益モデルを取り戻したり維持できるかという悩ましいケースに対して丁寧な議論と政策的な補助プログラムが必要で注視しています。
避難所運営についても、既に報道もありますが同様の収容数減が明らかで、その分一次、二次避難所を追加確保できるか(ホテル等借り上げてのみなし避難所案も浮上)など、防災計画を見直さざるを得ない状況です。
私の住む小金井市も問い合わせる限り、議題には上がったもののまだ検討には至っていないようです。
のんびりしています。

逆に、「テレワークが思った以上に機能した」というケースも増えたようで、満員電車に乗りたくない人も増えたようですが、オフィスビルや事務所用途の賃貸物件そのものの需要減、テナント離れへの危惧に対しては、賃料設定や固定資産税などの根本的な考え方や計算方法などについて、働き方の変化・情勢に即した変革も求められるのではと考えますし、家賃保証やこれこそ一極集中の是正とセットに議論をしなければならないのではないかと思われますがハードルは高そうです。
国難のたびに家賃を補償するのと制度改革をするのと天秤をかけて議論してほしいです。

そして、「新しい生活様式」には【オフィスは広々と】という項目もあります。
そりゃ広いほうがいいという意味においては正論ではありますが、都市部の賃料が高い中でテレワークが推奨される状況で、広々と使いたいと思ってもさてどうだろうと考える人々が今後増えると予想しますがこれもハードルは高そうです。郊外に住みながら郊外で働くとか、週1回だけ都心に時差出勤するとか増えると思われます。
三密回避とテナント賃料、固定資産税と働き方のバランスがどこに落ち着くのか問われます。

7/5加筆
7/4加筆

以上は対処療法としての新しい生活様式を実践したら生じるメリット・デメリットの一部です。

そして、もうひとつの世界は上記のような従来の都市空間への対処療法としての業態変化を考慮しながら、これら類似用途を新築する場合の"スタイル"がどのように変化し、どのように空間までも変容する必要があるのか/ないのかについて、医療の逼迫度が軽減され、小康状態となった今、まさにこれから段階を経て思考が求められてくると考えています。

「日本モデル」による収束として世界に報じられたわけですが、特措法には欠陥もあったし、感染症法にも古いままで改正が必要な条文もあると感じました。
床面積による網掛けが功を奏したのかのも実態に即して検証を求めたいところです。
モデルとはなにかを正確に定義してほしいと感じます。
もし、この規制区分の仕方が行政の先例となり、あたかも効果てきめんのような空気が醸成されるようであれば警戒したいですし、用途ごとの要求規模について今後発注者も相当慎重になるのではないでしょうか。

【オフィスは広々と】についても視野を広げれば、
もっと屋外テラス増やそうよとか、中庭作ろうとか、屋外自然環境と触れ合う機会を導入する方に向かうのではとも予想します。墓石のようなマッシヴなビル群が減り、ポーラス上のビル群が増えていくイメージです。
レンタブル比のような考えも、「それこれからのオフィス空間に必要?」という疑問も当然出てくると思います。

商業床や容積率フル活用をベースにビルを作ることにメリットが無くなる。
広い執務空間は不要となり、無駄な空間、贅沢な余白(余暇でもいい)が健康にとって良いものと優先される。
テレワークやECサイトと併用すれば「建物そのものへの動員に見出す意味や価値が乏しくなる時代になり、過密収容による労働体制が迷惑やストレスと感じる時代」にもなりうるということです。
それに対して都市建築が目指すことは、例えば、劇場空間であれば古典的解釈を再考し、バブル期には全国20ヶ所以上で営業されていたというドライブインシアターの再興も地方都市で見られますが、そういう趣向とはまた別の、新業態としての劇場建築を誕生させるチャンスも同時に開かれていると言えます。
医院建築、学校建築、社会福祉施設も然りです。

最後に、集合における距離感や動員方法、親密な人との公共空間の利用・促進方法、現代建築で常に扱われてきた「内と外」や「人工と自然」のような境界の在り方そのものを扱う建築物の行方について、感染症対策を契機にさらなる議論や展開が増えていくと思われますが、やはり、「zoomのような平面コミュニティもまあ使いこなすようになったけど、それでは物足りないからやっぱり街に出かけよう、実物を観よう・触れよう、人と気兼ねなく会おう・楽しもう、自然環境を身近に引き寄せよう」
といった、(正しく恐れながらも)健康で文化的な生活空間のさらなる向上を目指したいところです。

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