1116. 難儀な選択になりそう

maemi fuminori [Date 2020-6-29]

都知事選。
選挙公報を読んだ人なら東京の絶望を感じた人も多くいるかも知れないですね。

今回は演説カーの出動頻度は少なくて、それだけでこれを機にウグイス嬢も選挙カーによる演説もなくなればいいなと思う一人です。

私は2000年にテレビを捨てたのでもう20年地上波とは無縁の生活です。
SNSとも距離を置く生活です。
一言でいえばとても精神衛生上健康的。
ネットは上手に使うととても有益な道具です。
ネット討論会を見ていると、地上波しか見てない人はもったいないなあとも感じ、これがスタンダードになることが投票率を引き上げる一つの要因になるのは確実だろうとも思います。

・コロナ禍で支出された9割の基金。今後どのようなかたちで稼ぐ都政を目指すのか。
・コロナは災害指定すべきだ、救える命のメニューが増えると法律のバグを指摘する人。
・東京CDC創設と言っても、本来それは国が考えるべきこと、東京だけ創設しても意味がないこと。
・コロナは風邪、自粛はやめろと呼びかける人と第二波や他の疾病対策も併せて強化を促したい人。
・とにかく楽しい東京と呼びかけ、防災強化策に無頓着な人。
・泡沫でも供託金に疑問を投げかける人。
・都民1400万人の多様性に線引をして排除の理論をちらつかせる人。

・・・いろいろです。

二人くらいには絞り込むことはできそうですが、本当に選んでいいのかなあ?
これが正直な感想です。
都政新報という都民の目に触れることのない職員向けの新聞によれば、現職知事の評価は半数以下という記事もある...さて私達はどのような自分軸で人を選ぼうとするのでしょうか?

選ぶというのは責任の重い行為です。

4年前を振り返ると豊洲市場一色の選挙戦でした。
私は現職知事への投票はしなかったので、今回もないでしょうが、
首長選びはコロナ対策の支持率だけで決めていいものではありませんからね。

とはいえ、振り出しに戻ると、
二人くらいには絞り込むことはできそうですが、本当に選んでいいのかなあ?
でも誰が聴いても完璧な公約を掲げる候補者なんているはずがありません。

コロナ関連で言うならば、大体の候補者は医療体制、検査体制の充実を唱います。
私はColumnで継続的に多摩地区と23区の比較をモニタリングしてきました。
その日記のようなものに、政府がいつ宣言して、いつ解除して、都がいつアラートを出し、解除したかも書いています。

・段階的緩和は大事、それがきちんと機能しているかというと、どうだろう?

・アラートの基準を超えても医療体制が整っているので問題ない。これは一理あっても風まかせの部分も否めないだろう。
警報とは決めた基準を超えたならいつでも出すべきものであり、何度も出せないなどという性格のものではない。
空襲警報が一度しか出せないという決まりがかつてあっただろうか?
地震速報は何度も繰り返し注意喚起するように変わったが?

・新宿区の集団検査は新宿区が費用負担して行う積極的な行政検査であることを確認した。
なぜ新宿区は「日本で初の集団検査」を誇りに思いながら、HPでそのことを、実施数を公表しないのかという疑問に新宿区は答えられていない。区民に説明する責任がある。
そして、都としてはそれを上から目線で第二波ではないと評価するだけでいいのか?という問題があるが、政府がピンポイントの疫学調査を検討という報道もようやくで始めた。

選挙で忙しいのかと疑われても仕方ない話なのです。
だから東京版CDC創設みたいな一瞬、「お、いいね」なんてうまい話も、疾病対策センターという国としての位置づけや、県をまたいだ保健行政ネットワーク再構築の話もないままにでっち上げるようなキャッチさだけを狙った公約なら、結果2期目も嘘つき呼ばわりされてもこれまた仕方ないわけです。


ひとつ、自分が住む多摩地区から、アフターコロナの東京をどう見据えるかという視点なら選ぶことはできそうです。

1975年→2000年「三多摩格差8課題の解消」
2000年→2015年「多摩の将来像2001」
2015年→2017年「多摩の振興プラン」
そして、勝手に(小池節で)書くなら
2020年→2024年「with コロナ、after コロナの多摩の振興プラン」

多摩格差は小池都知事がよく使うフレーズですが、以上のように私が生まれた頃からあって、その頃は本当に23区との公共インフラの整備に差があった。
それを少しづつ解消して今に至るというのが多摩格差という出来事です。

ところがコロナ禍で顕在したのは何だったでしょうか?

多摩の豊かな自然、住みやすい住環境。
まだちょっと南北の交通体系は不便さが残るものの移動に不便を感じない。
家賃補助事業がまだ始まらない中、都心は低額物件の応募が増えたが空きがない。
そもそもワンルームでも相場が高いという中においても、多摩地区に来ればまだそういう物件に出会える。

就業機会が23区に比べまだ足りないのでそういうのは課題だと思いますが、リモートワークが増えてくると住まいの作り方そのものの在り方や空き家活用も促進される機会も増えるのでその辺はこれからの取組みとして丁寧に行われると良いと思っています。

7/12加筆

「密度」が大きな感染条件の一つとわかった中で、多摩格差を悪い意味で捉える候補者はいないと思いますが、格差どころか「多摩地区の優位性」を見つけられる候補者なら、アフターコロナの都政は任せてもいいかもしれません。

この辺の環境形成や都市構造にきちんとアプローチしてきそうな候補者を私は選びます。

7/12加筆
熊本はじめとする豪雨災害は胸を痛めます。
被害に遭われました皆様に謹んでお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復旧が行われますことを心よりお祈り申し上げます。

私が投票した候補者は、小野たいすけさん、でした。
正直、相当悩みました。
なぜかと言うと、私はIR統合型リゾートは反対だからです。

じゃあなぜ推進派の小野さんに?
コロナ禍で事業者が撤退した風向きに賭けたというのもあります。
こんな甘々な検疫、防疫態勢じゃ、自分が事業者なら怖くて日本でカジノ開きたいと思いませんし、ましてや「コロナは東京のせい」みたいな世間のバッシングが増える中で、東京にカジノが作れるわけがない。
(余談ですが接触確認アプリ、入れようと思ったら一つ前のiOS、未対応なんですよね。普及させる気無いでしょこれ。)

だから、小野さんがカジノ公約を掲げて仮に当選しても頓挫するのが目に浮かんだ。
それよりも、ベッドタウンとして発展した多摩エリアを働く場所として整備するという考えに一票を投じたのです。

あと、年齢が近いというのも大きいですね。
シルバーデモクラシーに寄りすぎてもいけないし、かと言って自分の世代中心になってもいけない。
コロナ禍で学生、学童、本当にしんどい思いをしている。不憫でなりません。
政府がバイトを推奨するとかやばいでしょ。おじさん連中の時代よりも学ぶ量半端ないんですよ今の学生・・・勉学と両立できるの?とか。

いろんな物事にアンテナを張れる年齢であること、上下どちらの世代にも一定の理解を示せる年代でもある。
政治家も世代交代の波は否応なく来ているのに、次世代がのし上がってこない。
あるいは育てていない。あるいは意見が潰されるほど上の層が厚い。
私達の20年後、どうなるのやらと思えば、少しでも候補者の平均年齢、約49歳以下が育たなければお先真っ暗です。

とはいえ、知事が誰だろうと都政は続く。
だからそれは別に、組織票が集まり再選した小池都政が確実に取り入れて都民のために尽力していただければそれでいい。
寧ろ、コロナ対策としての一環として、一極集中是正の手始めとしても多摩エリアの職住改革は当然進めなければならないでしょう。

ちなみに、自治体財政の「将来負担比率」。
数値が大きいほど今後の財政を圧迫する可能性があることを表します。
うちの小金井市は9.6。三鷹市は11.8。日野市10.6。狛江市17.9。東村山市6.0。清瀬市23.4。稲城市30.1。西東京市19.2。羽村市5.3。日の出町3.3。あきる野市においては51.5だそうです。

財政調整基金が減っても東京都のバランスシートは健全といわれても、こういう数字見るとどうなのって思いますし、借金する余力あるのは悪いことじゃないけど、経済学者はどう見てるんでしょう?

しかし、投票率55%。棄権した人が500万人以上いる。信任したと言えるのかなこれ?

本当にもったいない。

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1115. 風しん抗体検査

maemi fuminori [Date 2020-6-22]

先週末、重い腰を上げ、コロナ自粛で控えていた風疹の抗体検査をしてもらいました。
子供の頃罹った記憶はあるものの、ワクチン接種まではうる覚え(罹ったならしてるんだろうけど)。

市の特定健診と併せて受診するかたちで無駄のない検診を選択しました。

検査方法は6種類あるようで、
① HI法(赤血球凝集抑制法)
② LTI法(ラテックス免疫比濁法)
③ EIA法(酵素免疫法)
④ ELFA法(蛍光酵素免疫法)
⑤ CLEIA法(化学発光酵素免疫法)
⑥ FIA法(蛍光免疫測定法)

今回行っていただいたのは①のHI法。
健診の機会に行うと抗体検査分の採血もされるので、一石二鳥なんでしょうね。
余談ですけど、検査キットの製造販売元は「建材」の製造販売も手掛けちゃう大企業さんなんです。

結果は1週間で判明するということで、土曜日に聞きに行きました。

・抗体価:64倍 (基準値8倍)
・一度はワクチン接種していて、十分な抗体があるということのようで予防接種は非対象

安心しましたが、何十年も前の情報を血液で調べられるんですからほんと凄いことです。

ちなみに、担当医、看護師らはコロナの抗体検査を実施済みとのことで、みんな陰性だったそうです。
「がっかりしましたか?」と聞くと
「がっかりしましたよ~」と。
東京で0.1ですからそれはそうですよね。
私も1万円出して受診も考えましたが、話を聞いてやめました。
誰もが抗体を獲得できていないに近しい。
だから気をつけなければならない。

仮に「実は既に罹っていて、いつの間にか回復している人も、再感染しないとは言い切れないし、うつさないとも言い切れない」と言ってました。
現段階で言い切れることは少ないんだなと思いました。

コロナは症状に個体差があり、実は一様なワクチン開発は相当難しいという話もある。
でも、新型コロナウイルスに対しても通知が来て、抗体検査をしてくれて、ワクチン接種までできるような日常が来るといいですね。

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897. 男女共修にみる親子の家庭科に対する世代間の認識のズレ(下)

maemi fuminori [Date 2017-7-30]

1998年から中学の家庭科の内容(中の記事参照)は、全体像を俯瞰するような側面と、時代を反映した内容でありながらもどこか偏りが見られる。

2008年には「材料と加工」、「エネルギー変換」、「情報技術」のようなIT社会の人材に配慮したような専門領域を強く匂わせる内容になり、昭和40、50年台の「設計・製図」のような『ハードのものづくり人材育成』から『ソフトものづくり人材育成』への変化が窺える。
公共投資を減らしたり(その結果現在は朽ちるインフラがクローズアップ)、IT黎明期の中で働き方も多様になる反面、「ものづくり」という言葉が狭い範囲に限定され曲解された(現在も続いていると思う)頃でもある。

2000年初めに中学で家庭科を学んだ世代も、もう結婚や出産、マイホームを考える年齢に入った。「ユニバーサルデザイン」の概念も、「リビングデザイン」という言葉も早い時期に授業で身につけた世代である。一方、私も含めそれ以前の世代は社会経験(私は大学~現在)で知るわけで、意識して見てみたら、多様な専門性が氾濫していることに気がついていくと同時に、それらを若い年齢に身に着けて社会で「当然のように振る舞える人」も台頭していることにも気づく。

昭和41年に《塔の家/東孝光設計》という「階段室が家」のような究極的な都市型狭小住宅(地下1階、地上5階建て、延床面積:65㎡)も登場していたが、21世紀に入ると単身者やDINKSも増え、働く場所を会社に限定しないSOHOや加えるように最低限の私的領域とみんなで利用できる大きな空間を持つシェアハウスも出始めた。それら「暮らし方というソフト」を擁護するための「受け皿」を新築しやすい社会構造なのか、それとも急増する空き家や老朽化する木賃、危険な木密住宅地でどう更新できるか、などの2020年を堺に前後する現在、大きな社会の課題となっている。

20世紀「nLDKモデル」を選択しさえすればまず安心。子供部屋は何帖、リビングは、ダイニングは、という「言葉のチョイス」でオーダーが成り立つこともまだあるけれど、住宅展示場を回ったけどしっくりこなかったと感じる人が一定数いるのも事実である。この「普遍的に思えた住まいのモデル」「規範」も大きくゆらぎ、後退している21世紀現在は、個々人の暮らし方に寄り添うように解析してフィットさせる方が個々人のアメニティやベネフィットは高い時代である。それを無理矢理nLDKモデルにアジャストしようとするからほころびや内輪喧嘩が勃発するのである。

nLDKモデルでは得られない暮らし方が今後どう変化、進化するのか不透明であるが、それはどんな事柄も同じではあるし、ではnKDKに替わるロール・モデルが日本を席巻するのかも疑わしいのも事実であろう。しかし、nLDK以外の建築が「亜種」であるとか、独身貴族云々、DINKSは云々のような「結婚して子供を持って、マイホームを購入して」というすごろく型だけが家族モデルではないこともまた事実である。

大きく身構えない暮らし方ももとを辿れば、明らかに所得減少や労働環境の質的変化、物件自体の環境性能、構造性能向上による建設単価の上昇など、個人の内的条件とは別の社会要請から受ける「動かしがたい」変化に対して、物理的・精神的な受け皿である住宅が今後どのように取得しやすくなるのか?ひいては自治体の人口減の中でどのように多様な受け皿(法整備)を整えられるかという根本的な問題を映していることを改めて家庭科の履修内容の変遷を通して意識しておきたい。

家庭科の履修内容が60年弱の中でも、こうも社会の動向に即して大きく移り変わっていくわけで、その中で今後、様々な世代が知を交換しながら「家庭と社会を架橋していく」ことは、実は結構大変なことではないかと思うがいかがだったろうか。
そして本来こういう流れを俯瞰して中高で連続的に知ることもまた大事なのではないだろうか。

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896. 男女共修にみる親子の家庭科に対する世代間の認識のズレ(中)

maemi fuminori [Date 2017-7-29]

(上)同様、詳述は避ける。
1988年に夫婦が30歳で子供を授かったとして、13年後に子供は夫婦が学んだ家庭科とは異なる家庭科を履修する。

1980年はワンルームマンションが乱立し、自治体ごとに条例で規制する動きも現れたが、単身赴任や遠隔地の大学に進学する学生向けに比較的低廉な住環境が用意された頃である。
木賃アパートなどは現在どう効果的にリフォームできるか課題になっているし、当時のRC造の賃貸も2020年には40年を迎える。
事業主がそれをどう考えているのか、解体と退去を促すのか、建て替えと仮住まいを保証するのかなど不明瞭な物件が多数あるであろう。

戸建てマイホームは「住宅すごろく」という言葉が当時できたように、ステージアップへの信仰が残っていた頃だが、バブル崩壊が訪れ、1993年、1994年には、中高それぞれの家庭科男女必修化に至る。
この頃になるとインターネットも普及しだし、かなり文化情勢が複雑多様化する。
それに合わせるかのように履修内容も多様になった。

1998年で40歳、この時期に木造のマイホームを取得した場合、2020年に法定耐用年数を迎える。


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(下)へ続く。

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871. 設問と解答

maemi fuminori [Date 2017-2-03]

入試のシーズンのようで、ホテル不足で受験生が宿泊に難儀するという話題もあったが、他にも興味深い話題があった。

解答例
問1(本文中の親子の会話に登場する自宅の間取りと東京都の1日当たりの水使用量と人口推移から推察)
(1)洗濯機や水洗トイレの普及や、家に浴室が作られるようになったからである。

(2)節水という意識が高まり、節水型の電化製品も増えたから。


問2(瓦屋根を使った建築物の名称と所在都道府県)
あ 平等院鳳凰堂 京都府

い 開智学校 長野県

う 正倉院 奈良県

問3(平安時代の中国文化の影響をあまり受けなかった国風文化について)
(1)寝殿造り (2)藤原道長 (3)仮名文字の発明

問4(江戸の町で瓦屋根が必要とされた理由)
火事の延焼を防ぐため

問5(同潤会アパート)
(1)青山-え 猿江-あ 大塚-う(建設目的と特徴の紐付け) 

(2)①共同で利用する場所の管理する役割 ②地域の人たちとの交流を重視したから
(アパートの入居規定の例を読みながら①管理組合の役割、②組合と別に町内会への加入を勧めた理由)

問6(「役割を負えた建築物を残すことは難しいんだ」と息子に言う父の文章から、新しい役割を担っている具体例)
横浜赤レンガ倉庫が、商店などが入って、横浜観光の名所の一つとなった。

問7(多摩ニュータウンの造成前、造成後の白地図を見ながら(1)立地の地形と、(2)それによって抱える問題)
(1)丘陵地

(2)高齢者が増えたため、坂道の昇り降りが大変である。

問8(当時高評価だった「田園調布憲章」が環境維持困難からどのように受け止められるようになったか)
憲章は理想であるが、細分化した土地に入った新しい住民にとって、地域の人々との交流が重視されなくなったから。

問9(社会の変化に応じて工夫してきた建築物によって解決してきた例、同時に見えてきた問題点の説明100~120字)
車で行き、各種の商品を一カ所で購入できる便利さがある。しかし、
その一方で、商店街などの小さな店に客がこなくなり、閉店する店が増え、町の中心地がさびれる。
車を利用しない老人なども不便になる。(郊外のショッピングセンターの例)


以上は、SNSで一部話題になっている「麻布中学の入試」の社会の設問と解答(速報)です。
(設問は当方で要点のみ書いており、実際はA4用紙9ページに及びます)

父と息子が祖父から譲り受けた田園調布のマイホームの建替えをどうするかというストーリー仕立てを読みながら設問に答えていくというもの。

自宅の間取りを見ながら、息子のために二世帯住宅にしたいとか、母は軽微なリフォームでもいいのではなど前段を交えつつ、
家族が代替わりしても暮らしやすくするにはどうしたらいいか?という本質的な話題に始まり、
瓦屋根の歴史や、西洋建築技術が入ってきてからの建て方や素材の転換、関東大震災後の木造からRC造への変化などの建築物の変化を介して、
同潤会アパートや多摩ニュータウンのような都市計画レベルの具体例から地形的、交通的な問題点を見出させ、【郊外の大型ショッピングセンターやオール電化住宅、タワマンや震災復興住宅、防犯カメラ付き住宅】のような利便性への建築的都市的応答とその弊害、問題点についてまでを考察、要求している非常にユニークで難易度が高い出題のようだ。


時代が変われば要求水準が変わるのは建築同様、教育も同じである(見極めは重要だが本問題は今の時代を理解する上でも良問)。
情報化社会では多くの処理能力も読解力も若いうちにこそ養われやすい(各情報を統合できるかは別問題)。その若い時代に住んでいる町の、自治体の、国の構成要素について各時代のトピックとなるような事象だけでも歴史的文脈や社会的問題点を感覚的にでも身につけることは社会に出てから有効である(私は大学時代その情報格差の「追いつき」に相当苦労した記憶がある。なぜなら地方出身者が東京で暮らし、東京の建築・都市課題を理解するには4年でも当然足りないからである)。

極論を言えば建築・都市を窓口にして、紐付けながら基礎教養を学んだほうが身につきやすい。
家の中にも、家の外にも「リアルなサンプルだらけ」であるからに他ならない。

しかし、地方は地方の環境、都市は都市の環境があるから、相対化が必要になる。
自分の暮らす街だけを見ていてはいけない。
地方の問題を理解するには地方で暮らしながら都市の利便性への教養が必要になるし、都市の問題を理解するには都市で暮らしながら地方の豊かさへの実体験が必要になる。
自分はその双方を体験しているのだから職業上は何の不足もなく強みになっている。
いや、さらに強みとしていきたい。

とはいえ、12歳がこの設問をクリアして晴れて名門校に入れる「凄み」というのもよくわかる気がする。

建築に疎い高校生が大学で建築を学び始めるのと大差なく、むしろ体系的に学べる設問になっている。
逆に親子でこのような会話に触れながら、マイホームや街のことを日頃話し合えると名門私立中も簡単だということになるのだろうか?

5~8日の出張の準備を終えたあと、この春13歳になるこの難関を突破した子供らが次の都市問題に立ち向かってゆく立場になるのだろうかと感慨深い気持ちになる。

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811. 

maemi fuminori [Date 2016-3-04]

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梅を見ながらリセット。桜もちらほら咲き始めています。

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